屋内外の空きスペースに緑と花の空間を簡単に作ることが可能です
どこでもガーデン。
サカタのタネは、坪庭サイズの緑化ユニットシステム『どこでもガーデン。』を開発し、2014年から販売をしております。
『どこでもガーデン。』は基盤工事が不要で、屋内外の人工地盤上の空きスペースがあれば、緑化ユニットを設置するだけで“どこでも、あっという間に” 緑の空間を出現させることができます。植物の育成土壌には、高い保水性・排水性・通気性を併せ持った無機質軽量土壌『アクアソイル』による『アクアソイル工法』を採用しています。当工法は、灌水は雨のあたる屋外ではほとんど必要なく、植物を非常にゆっくりと成長させるため、剪定などの維持管理の大幅な低減化を図れます。形状は移動式タイプがあり、設置場所のイメージや、緑化としての機能性、インテリアなどの目的に合わせて仕様を選択でき、現場での設置所要時間は最大半日と時間もかかりません。
『どこでもガーデン。』開発の経緯
ヒートアイランド現象などの都市の環境問題に対し、緑が持つ気象緩和機能や癒やし効果に期待がより高まっています。このような中、これからの緑化手法には、上水の使用や剪定などの管理が最小限で済み、限られた空間を有効に利用できるなどの特長が必要とされています。この期待に応えるべく、当社では水質浄化能力がある当社育成の『サンパチェンス』の水を好む性質を生かし、水上に花壇を設置できる『水辺のコンテナ』、アルミニウムをはじめ、システム全体がリサイクル可能な素材を用い、灌水の手間もかからない壁面緑化『アクアヴェール』などの都市のさまざまな空間を緑化できる商品を開発、販売をしてきました。
『どこでもガーデン。』は、1995年にサカタのタネ本社(横浜市都筑区)に施工した屋上緑化をヒントに開発したものです。当社の屋上緑化(約1,500㎡)は、雨水のみで生育し、管理の手間がかからない『アクアソイル工法』を用いています。その結果、現在も雨水のみで安定的に生育しており、ローメンテナンス、ローコストで立派な緑化空間を維持しています。この経験と実績から、『アクアソイル工法』の優れた機能をコンパクトに凝縮した商品ができないかと、4年の歳月をかけて商品開発を行ってきました。
その結果完成したのが、省管理で自由度が高い、坪庭サイズの緑化ユニットシステム『どこでもガーデン。』です。基盤改良などの工事が不要で、「設置するだけ」で人工地盤上の隙間や狭いスペースに緑の空間が“どこでも、あっという間に”出現します。このように、エントランスやロビーなどの限られたスペースのインテリアや、季節のイベントをはじめとしたテンポラリーな緑の演出に、大きな効果を発揮します。
環境配慮型商品
育成土壌に採用した『アクアソイル』の重量は、黒土の約1/3です。灌水後の最大湿潤時の比重も0.68※1と軽量で、設置や移動の際に床面を傷めません。また、優れた保水性、排水性、通気性を持ち、灌水は雨があたる屋外ではほとんど必要なく※2、また、最低限必要な微量栄養素で成長させるため、樹木などの成長スピードは一般土壌の植栽と比べて約1/10とゆっくりと育ちます。そのため、剪定などの維持管理コストを従来の80%程度削減※3することが可能となり、植物が大きくなりすぎないことから植え替えの必要もなく、根による建物などへのダメージもありません。このように『どこでもガーデン。』は、長期間にわたり緑花空間を楽しんでいただけるとともに、維持管理コストの大幅な低減を実現できる商品です。植栽フレーム部は、耐久性に優れ、環境にも優しいアルミニウム製を採用いたしました。
商品は受注生産で、植物の選定やサイズ、デザインなどを確定後に受注し、設置までは約1カ月です。移動式タイプは現場で組み立てる場合は半日程度、植栽済みの完成品を所定の場所に搬入する場合は数時間で設置可能です。当社では、『どこでもガーデン。』を屋内外問わず、あらゆる都市空 間を緑で彩る商品として積極的に拡販していく予定です。また、当社では植物の育成だけでなく、都市のさまざまなスペースに「癒やし」の緑化空間として有効活用できる緑化技術や商品の開発にも努めてまいります。
※1 黒土の最大湿潤時の比重は、1.6~1.8。
※2 屋外でも降雨量が極端に少ない夏季には灌水が必要な場合があります。室内では約1カ月に一度程度の灌水で植物の育成管理が可能です。
※3 植栽内容や設置場所・環境は同じ条件で、18㎡の同面積で比較した場合。